今治市議会 2016-03-08
平成28年第2回定例会(第3日) 本文 2016年03月08日開催
これらのことから、行政が自治会活動へ積極的にかかわっていくことができる体制づくりを進めるなど、さらなる変化が求められており、そして、地域コミュニティーの活性化に向け、自治会と行政の協働の場づくりを進めていくことが重要であると考えます。
そこで、3点目に、本市として、今後、自治会の組織向上、また、自治会への加入促進の取り組みについてどのような支援をしていくのかお伺いいたします。
2番目に、自治会の法人化についてお伺いいたします。
自治会は本来、任意団体であることから、権利能力なき社団として位置づけられ、法人格を持てず、不動産等の財産を所有している場合、自治会の名義での不動産登記が不可能でした。そのため、不動産の登記名義を会長個人、または役員の共有名義としなければならなかったことで、名義人の死亡による相続問題の相談を受けたことや、名義人の債権者による不動産の差し押さえ等の財産上の問題が生じることがありました。
こうした問題を解決するため、平成3年に地方自治法が一部改正され、地縁団体を設立し、市町村長が認可し、告示することによって自治会に法人格を与え、団体名義で不動産登記をすることが可能となりました。自治会が法人化されることにより、財産管理にまつわる問題が解決されるだけではなく、自治会の民主的な運営や補助金等に係る会計上の処理の健全性を高めることができます。さらに、昨年4月1日の地方自治法の一部改正によって、登記簿に表示された所有者が所在不明または既に亡くなっているなどで、相続人の確定に手間がかかるために移転登記が困難になっている場合、一定の手続をとることで、団体名義の登記が可能になりました。
そのような中、本市の状況を調べてみると、863自治会のうち、法人化されているのは58の自治会で、1割も法人化されていないことがわかりました。法人化の申請は自由であり、自治会の事情はいろいろあると思われます。
そこで、まず1点目に、自治会の法人化の現状についてどのようにお考えか、ご所見をお伺いいたします。
2点目に、自治会の法人化が進まない理由についてご所見をお伺いいたします。
今後、自治会の集会所の老朽化に伴い、新築や改築の課題を抱え、財産管理は必要不可欠な課題となっていくと思われます。そのため、法人化の申請が進むことは、自治会組織の健全性の上からも重要なことではないかと思います。法人化を進める上で、法人化のメリットを一層周知していただくことが必要です。手続の煩雑さが障害の一つになっていることから、手続の簡素化や丁寧な対応も含め、できるだけ行政が支援していくことが必要ではないでしょうか。
そこで、3点目に、法人化の周知のあり方と行政の支援についてご所見をお伺いいたします。
次に、特殊詐欺への対策についてお伺いいたします。
他人の金をだまし取るといった卑劣な犯罪である特殊詐欺、ニセ電話詐欺による被害が急増しています。警視庁の発表によると、平成27年の特殊詐欺全体の認知件数は1万3,828件に上り、被害額は476億8,000万円、子供や孫をかたり、被害者を県外に呼び出し現金を受け取るおびき出し詐欺、医療費が戻ってくると言ってATMからお金を振り込ませる還付金詐欺など、特殊詐欺はさらに複雑化しています。
愛媛県警察署管内を調べてみますと、特殊詐欺の被害は右肩上がりに増加しております。平成22年の被害件数は61件、被害額は7,096万7,555円でしたが、平成27年には、被害件数は125件に倍増し、被害額も5億3,013万433円と約7倍に増加しています。今治市においても、平成22年の被害件数は4件、被害額は346万6,250円から、平成27年には、被害件数は20件と5倍になり、被害額も4,142万1,683円と急増しています。
そこで、ことしの初めから愛媛新聞に毎日掲載されている事件・事故の欄を確認してきました。愛媛県内の本年1月、2月の特殊詐欺による被害件数は早くも20件に上ります。詐欺被害の内容は、子・孫をかたる示談金名目が11件、医療費の還付金名目が3件、そのほか、投資、競馬、不動産、介護等の名目が6件であります。今治市でも既に5件の被害があり、被害額は599万円にも上っており、被害者のほとんどが高齢の女性であります。物理的ダメージもさることながら、心理的ダメージはいかばかりかと思われます。このような緊急事態の状況に対応するため、新聞報道によりますと、愛媛県警察は特殊詐欺対策で防犯と捜査を担う担当者を増員するようです。
そこで、1番目に、本市としては特殊詐欺被害の現状をどのように認識しているのか、また、それに対する取り組みについてお伺いいたします。
2番目に、高齢者にわかりやすい対策についてお伺いいたします。
市民がニセ電話詐欺の被害に遭い、お金をだまし取られたという報道が続いている中で、本市としても、緊急に万全の対策を講じて、市民を守る必要があります。ニセ電話詐欺を防ぐ対策が急務であると考えます。
そこで、神奈川県などで配布している「手形ポップ」のステッカーは、受話器をとると「待った!!」と手形が起き上がり、注意を促すものになっております。小さくて見えないかもわかりませんけれども、こういうものが配布されております。こうした目に見えるステッカーを配布してはどうでしょうか。
また、行政から高齢者へ郵送する通知書等は、封筒で詐欺被害防止を呼びかけたり、文書を同封するなど、あらゆる手だてが必要です。被害の深刻さを考慮し、高齢者が目に見える対策が急務と考えますが、ご所見をお伺いいたします。
以上です。
3:
◯渡辺文喜議長 答弁を求めます。
4:
◯菅 良二市長 おはようございます。きのう、本議会が終わった後、午後でしたが、イオンモール今治新都市の同友店会、それぞれ入ってくる皆さんが、決起大会といいますか、総会をして、いよいよ始まるぞという場に私も出させていただいて、4月23日のグランドオープンがいよいよだなという思いもいたしました。今、ちらっと西原教育委員長の顔が見えて、そのことを思い起こしております。西原教育委員長が同友店会の会長として、これからさまざまな調整もしていただけるものと、ありがたく思っております。
渡部
豊議員ご質問の自治会への加入促進と法人化についてのうち、1番目の自治会への加入促進についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
まず1点目の自治会加入率の現状と、これに対する本市の考えについてでございます。
自治会の皆様には、盆踊り大会や運動会などの親睦、交流活動の実施、つい先般の日曜日はそれぞれの校区で文化祭、福祉祭が行われておりました。集中しておりまして、波止浜地区で始まり、近見地区、日高地区、富田地区、そして日吉地区に行きましたが、それぞれの地区で自治会長が中心となって行われておりました。波止浜地区の各種団体連絡協議会の会長は、皆さんの同僚でもありました白石さんであります。
こういったように、それぞれの地区で本当に一生懸命取り組んでいただいております。活力を感じました。そういったさまざまなイベント、それから、広報いまばりの配布、ごみ減量推進活動、ここがまた非常に重要でありますが、自主防災組織の研修・訓練、行政と連携した活動のほか、環境美化活動の推進、防犯灯・集会所の維持管理など、さまざまな面でお世話になっており、大変感謝いたしております。
平成17年7月1日現在の自治会加入率は84.5%でございましたが、平成27年7月1日現在の自治会加入率は76.6%で、合併後10年で7.9%減少しております。自治会加入率の低下は全国的な傾向ではございますが、特に災害発生時には、ふだんから顔の見えるおつき合いが大切であると言われるように、地域のコミュニティー活動を支える自治会の役割が非常に重要であります。加入率の低下に歯どめをかける必要があると考えております。
次に、2点目の自治会の課題をどのように認識しているのかについてでございます。
議員ご
発言のとおり、社会情勢の変化や価値観の多様化、ライフスタイルの変化などにより、自治会に加入しない世帯がふえております。このまま加入率の低下が続きますと、自治会の組織力の低下につながり、これまで自治会が実施してきております地域交流活動や防災、環境美化活動など、さまざまな面で影響が出ると懸念いたしております。
次に、3点目の自治会の組織向上や加入促進への支援についてでございます。
本市におきましては、加入促進のため、転入者や市営住宅入居者などへチラシを配布し、自治会加入を勧めております。また、各地区自治会において、自治会長が未加入世帯を訪問して加入の呼びかけを行っていただいておりますが、加入率の低下に歯どめがかからず、今治市連合自治会と対応策を協議してまいりました。こうした中、公益社団法人愛媛県宅地建物取引業協会及び同協会今治地区連絡協議会が、住宅の販売や賃貸の管理、仲介等を行う際、自治会への加入を勧めていただけることとなり、つい先般、4者で自治会加入促進に関する協定を締結いたしました。愛媛県下で初めての取り組みでございます。今回の締結を契機に、配布チラシのデザインを一新し、シンプルでわかりやすい内容のものを作成中でございます。
自治会は任意の団体であり、加入に関しての法的な義務もないことから、難しい面もございますが、今後とも今治市連合自治会や協力いただける団体等と連携し、自治会への加入促進と地域コミュニティーの強化に努めたいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきます。よろしくお願いします。
5:
◯白石卓夫市民環境部長 渡部
豊議員ご質問の自治会への加入促進と法人化についてのうち、2番目の自治会の法人化についてと、特殊詐欺への対策についてお答えいたします。
まず、2番目の自治会の法人化についての1点目、自治会の法人化についてでございますが、地縁団体につきましては不動産を所有していることが大前提となり、認可のために満たさなければならない条件もございますので、自治会の必要に応じて地縁団体を設立すべきであると考えております。
次に、2点目の自治会の法人化が進まない理由についてでございますが、地縁団体設立に伴う事務の煩雑さや、不動産の名義を変更する際、手続を業者に依頼した場合は費用が発生するため、あえて現状を変更する必要はないという心理が働いているものと思われます。
次に、3点目の法人化の周知のあり方と行政の支援についてでございますが、最近の傾向を見ておりますと、必要に迫られてから検討を始める自治会が多いように思われます。周知につきましては、今治市のホームページに地縁団体の手続について掲載し、内容の説明をさせていただいており、電話や窓口で問い合わせがあった場合は、メリット、デメリットの説明や具体的な手続の説明をさせていただいております。手続の説明につきましては、記載例を提示するとともに、できるだけわかりやすく、丁寧な説明を心がけてまいりたいと思います。
次に、特殊詐欺への対策についてでございます。
1番目の本市の特殊詐欺被害の現状とそれに対する取り組みについてお答えいたします。
特殊詐欺の代表的なものにオレオレ詐欺、架空請求詐欺がございますが、種類が多様で、今治市においても多くの被害が出ており、憂慮しているところでございます。
本市の取り組みについてでございますが、まず、市民相談室で消費生活相談を実施し、犯罪被害の防止に努めております。市民相談室で受けた特殊詐欺に関する相談件数は、平成25年度が29件、平成26年度が52件、平成27年度は1月までの実績で23件でございました。
次に、自治会等への周知、啓発でございます。
今治市連合自治会や老人クラブの会議の際、今治警察署の担当者から特殊詐欺の手口や予防策などについて講演をしていただき、参加者や参加者の周りの方々への注意喚起もお願いしております。また、市民相談室の消費生活相談員が地区自治会の総会に出向き、特殊詐欺について講演を行っております。
次に、警察との連携や今治市役所内の連携でございます。
警察から特殊詐欺が発生したとの連絡を受けた場合や、特殊詐欺と思われる電話がかかってきたとの情報提供があった場合には、市民生活課から各支所、各公民館や高齢介護課、福祉政策課、健康推進課、障害福祉課、保険年金課といった関係部署への情報提供を行い、情報の共有化を図るとともに、市民の皆様から問い合わせがあった場合には、特殊詐欺を疑って対応するようにいたしております。さらに、特殊詐欺と思われる電話がかかってきたとの情報提供を受けた場合には、警察にも情報提供を行っております。
次に、2番目の高齢者にわかりやすい対策についてでございます。
高齢者の目につくところに注意喚起を促すシールやステッカーなどを貼付することは有効な対策であると認識いたしております。高齢者を対象に実施されます地域包括支援センターの行事などで、要請に応じ、市民相談室の消費生活相談員が特殊詐欺についての講演を行うとともに、参加者に愛媛県消費生活センターが作成した啓発チラシ、注意喚起シールを配布し、電話機や玄関先など目につくところに張るように依頼し、特殊詐欺被害の未然防止に努めております。
議員ご提案の受話器を取り上げた際に立ち上がるタイプのステッカーにつきましては、被害の多い高齢者世帯の一部にモデル的に配布して、使用の感想などを聴取し、効果を検証いたしたいと考えております。また、高齢者へ通知書を送付する際、封筒で詐欺被害防止を呼びかけたり、文書を同封するなどの手だてを講じてはとのご提案につきましては、関係課で連携した取り組みができないか検討してまいりたいと思いますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
以上でございます。
6:
◯渡辺文喜議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
7:
◯渡部 豊議員 議長。
8:
◯渡辺文喜議長 渡部
豊議員。
9:
◯渡部 豊議員 ご答弁、ありがとうございました。
まず、自治会への加入促進について、私ごとでございますけれども、先月、子供のことで他市の不動産会社を訪ねることがございました。そこで賃貸マンションの契約をした際に自治会の加入についてお伺いいたしますと、「加入する必要はありません」と、あっさりとした返事に拍子抜けするやら、また逆に、地域の安全は確保できているのか、何かあったときに地域の方は気にしていただけるのかという不安も同時に感じた次第です。
その数日後に、今治市と公益社団法人愛媛県宅地建物取引業協会、同協会今治地区連絡協議会、今治市連合自治会の4者が自治会の加入促進に関する協定を結んだとの新聞報道があり、公益社団法人愛媛県宅地建物取引業協会の会長が「新たに部屋を借りる人に積極的に呼びかけたい」と述べておられました。本当に地域の安心・安全の面からも非常にありがたいことだと思っております。今治市と公益社団法人愛媛県宅地建物取引業協会、同協会今治地区連絡協議会、そして今治市連合自治会が今後もしっかりとした情報共有をしていただき、加入促進の効果を期待したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、自治会の法人化については、必要に迫られていないから進まないと、ご答弁でそういうふうに感じましたが、平時には、必要に迫られた場合、いかようにも行政として対応ができると思います。しかし、災害発生後の土地に関する問題解決の難しさというのは、これまで起こった大災害後の状況を見ても明らかであります。自治会から「あのとき法人化をしっかり勧めてくれていればよかった」と、このようなことを言われないようお願いいたします。
そして、高齢者にわかりやすい特殊詐欺への対策として、ステッカーの配布については、高齢者世帯の一部にモデル的に配布を行い、効果を検証するとのご答弁をいただきました。ただ、卑劣な犯罪は待ってはくれません。だまされ、マインドコントロールされた被害者に送金現場などで詐欺だと認識させるのは非常に難しいようであります。だまされる前段階で被害、詐欺を防ぐためにも、65歳以上の高齢者がステッカーの申請をすれば配布できるようにすべきだと思いますが、この点について再度お尋ねします。ご答弁、よろしくお願いいたします。
10:
◯白石卓夫市民環境部長 お答えいたします。
65歳以上の高齢者の希望者にステッカーを配布してはどうかとのご質問ですが、配布につきましては、状況を見ながら検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
11:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
12:
◯渡部 豊議員 議長。
13:
◯渡辺文喜議長 渡部
豊議員。
14:
◯渡部 豊議員 ありがとうございます。
最後になりますけれども、特殊詐欺を防ぐための目に見える対策として、さらに、公用車に「ニセ電話詐欺にだまされない」などの注意喚起を書いたマグネットシートを張りつけて、市民への特殊詐欺に対する意識啓発を図ることをご提案させていただきまして、私の質問を終わります。
大変ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
15:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で渡部
豊議員の質疑、質問を終わります。
次に、34番山本五郎議員。
16:
◯山本五郎議員 それでは、早速ですが、質疑、質問に入りたいと思います。
まず初めに、住宅リフォーム助成制度についてであります。
住宅リフォーム助成制度は、愛媛県下では、四国中央市、松山市、八幡浜市、西予市、宇和島市、愛南町で創設されています。全国では約650の自治体に普及しています。実施自治体では、どこでも地域経済への波及効果は10倍、20倍と大きく、活用した住民も業者も担当職員も住民から喜ばれ、一石三鳥だと言われています。
私は、住宅リフォーム助成制度の創設を願って、五、六年にわたり質問をしてきました。かつては毎議会で質問したものですから、担当課からも「よく凝りもせず質問することよ」と言われたりしました。最後には市長に、「市長、住宅リフォーム助成制度の問題は討論し尽くしました。もう市長の政治判断しかありません」と実現を迫ったことを覚えています。
最近のことですが、地域限定で規制を緩和する「地方創生特区」に今治市と広島県が一体として指定され、四国初となる獣医師養成系大学の誘致が実現に向け動き出しました。これに対し、「『市総合計画の中で40年来の宿願であり、大きな一歩。厚い扉が今、開き始めた。』愛媛県と共同で2007年から計16回特区提案を重ねた今治市。待ちわびた朗報に、菅良二市長は会見で喜びをあらわにした」と報道されました。今治民主商工会の方々や他の議員の支援も得ながら、今議会に住宅リフォーム助成制度の議案が提出されていることに、特区指定の市長の喜びと同じ喜びの思いであります。これは、提案権を持つ市長と担当した職員にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
さて、質問の1番目は、補助限度額についてであります。予算額が2,000万円、補助金額は工事費の10%以内、上限20万円と菊間瓦の使用1平方メートル当たり1,000円、上限10万円を合わせ、30万円が補助されるのかどうか、お伺いいたします。
質問の2番目は、施行期日は4月1日なのかどうか、質問いたします。
次に、人口減少対策についてであります。
現在、少子高齢化、人口減少問題は全国で深刻な問題となっています。今治市も同じ問題を抱えています。平成26年、日本創成会議は「ストップ少子化・地方元気戦略」を発表しています。そして、増田レポートといわれる自治体消滅論が発表されます。その増田レポートでは、2040年までに20歳から30歳代の女性の人口が5割以上減少する自治体を消滅可能性都市と呼んでいます。そして、この今治市もそれに当てはまっています。増田レポートにはいろいろ問題がありますが、そこから地方創生戦略が出てくるわけです。
今治市は、さきの国勢調査では15万8,185人、その前の2010年の国勢調査時より8,347人減少しています。また、今治市は、合併したときの平成17年の人口は約17万8,000人、10年後の平成27年は約16万5,000人、約1万3,000人減少しています。
愛媛県における当初予算中、今治市に関する主な事業についてであります。愛媛県は2016年度の一般会計当初予算を約6,401億円と発表しています。中村知事就任以降、最大の予算規模になったと報道されています。今治市の一般会計当初予算は786億円ですから、約8倍の予算となっています。さらに、特別会計は、愛媛県の約1,310億円に対し、今治市は約482億円ですから、約2.5倍の予算となっています。
こうした愛媛県の予算の中で今治市に関する主な事業は、例えば今治工業高等学校造船コース実習棟整備事業費3億3,736万円、しまなみ海道・国際サイクリング大会実施事業費4,850万円などがあります。人口減少対策に係る事業について、今治市の対策とあわせ質問いたします。
次に、人事院勧告についてであります。
質問の1番目は、2015年人事院勧告についてであります。
人事院は去年の8月6日、国家公務員給与について、官民較差(1,469円、0.36%)に基づく月例給の引き上げと、一時金について0.10月の引き上げ勧告を行いました。ところが、人事院は、棒給表自体は全体にわたって引き上げたものの、給与制度の総合的見直しの実施に伴う現給保障額の引き上げは見送る一方で、官民較差の原資の8割を地域手当に引き上げようとしているものです。そのために、本来、職員全体に分配されるべき官民較差が、地域手当の支給率が引き上げられる都市部と、愛媛県など地域手当不支給地では賃上げにならず、給与の地域格差を一層加速させる結果となっています。この点についてどのように考えるのか、お伺いいたします。
質問の2番目は、人事院勧告を受けて、議案第12号「今治市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例制定について」が3月1日に可決されましたが、この改定で1人当たりの引き上げ額と率は幾らになるのか、そして、何人の職員の引き上げになるのか、お伺いいたします。
質問の3番目は、ラスパイレス指数についてであります。
愛媛県は、国の給与水準を100とした場合の愛媛県内の20市町の一般行政職の給与水準の指数、いわゆるラスパイレス指数を公表しました。それによると、愛媛県内11市の平均は96.7で、全国平均より2.0ポイント低いわけです。さらに、今治市は93.8で、愛媛県下11市中9位とされています。愛媛県下20市町の平均は95.5ですから、それよりも低い。毎年、人事院勧告準拠を言いながら、低い実態はなぜなのか、お伺いします。同時に、この実態をどう改善するのか、あわせてお伺いいたします。
質問の4番目は、フレックスタイムについてであります。
いわゆる自由勤務時間制と言われています。人事院勧告では、フレックスタイムについて、柔軟で多様な勤務形態のもとで、ワーク・ライフ・バランスの推進、職員の能力発揮や公務貢献が期待できるとして、フレックスタイム制を拡充することが適当と勧告しています。この制度は変形労働時間制で、職員がばらばらの勤務時間では、特に住民対応職場では住民サービスの低下、混乱を来したり、職務の伝達ができなかったりと、新たな混乱を招きかねないと思います。このことの実施についてどう考えられているのか、質問いたします。
質問の5番目は、給与実態についてであります。
私は、さきに、今治市のラスパイレス指数について、93.8で、愛媛県下11市中9位であり、引き上げを訴えました。それには根拠があります。合併時の2005年4月1日と10年後の2015年4月1日の
平均給与の比較です。10年前は、正規職員は年額601万2,000円、10年後は595万5,000円で、5万7,000円の減となっていることです。さらに、臨時職員(一般事務)では、10年前は194万1,000円、10年後は194万1,000円で変わらず、臨時作業員は、10年前は279万9,000円、10年後も279万9,000円で、これも変わりはありません。給与が10年たっても5万7,000円減となったり、臨時職員の給与は10年たっても変わらなかったり、これはどういうことで起こっているのでしょうか、質問いたします。
次に、雇用についてであります。
質問の1番目は、今治市の非正規雇用についてであります。
安倍総理は、雇用の問題で2012年10-12月期から2015年7-9月期で就労者が117万人ふえたと言っています。しかし、同じ時期の同じ統計によれば、正社員は1万人減っています。結局、ふえたのは低賃金の不安定な非正規雇用であります。例えば、今治市でいえば、2005年4月1日、合併時の正規職員数は、2015年と比較すれば、1,801人から1,435人、366人減じています。一方、嘱託職員、臨時職員等は881人から998人と117人増加しています。いわゆる正規職員を減らし、非正規職員に置きかえているわけです。政府や今治市がこういうことをやるから、他の企業にも非正規雇用が波及するのではありませんか。どう考えますか。お伺いいたします。
質問の2番目は、行政改革ビジョンの職員削減についてであります。
今治市行政改革推進審議会は2月8日、今治市の新たな行政改革ビジョン(2016~2020年度)策定に向け、2020年4月までに、2014年4月比で今治市職員を約6.8%(100人)削減する定員適正化や、持続可能な財政基盤の確立などを菅市長に答申したと報道されました。
私は、この報道の限りにおいて、余りにも無謀な職員削減計画だと思います。合併後、行政改革の名で、公務員バッシングのもと、給与の引き下げ、人員削減が実施されてきました。ここに来てまたさらに削減する。住民サービスを維持し、守ることができるのかと思います。今治市はどう考えているのか、質問いたします。
次に、降給についてであります。
議案第37号「今治市職員の分限に関する手続及び効果に関する条例の一部を改正する条例制定について」の質問であります。
改正理由として、降給について必要な事項を定めるとされています。降給の事由として、第3条、職員が次の各号のいずれかに該当する場合においては、これを降給することができるとして、人事評価が挙げられています。今までになかった規定を入れようとするものです。
人事評価は、現在、人事考課制度として実施されていますが、職員にとっては評判の悪いものです。それは、評価で差別をするからです。人間にとって差別をされるほど嫌で悔しい思いをすることはありません。人事考課制度は人材育成などが目的と言われていますが、職員のアンケート結果では、60%の職員が「人材育成につながっていない」と答えています。さらに、この人事考課の結果を給与にリンクしたり、勤勉手当に反映したりすることは卑劣であります。
質問の1番目は、なぜ今、降給項目を導入するのでしょうか。
質問の2番目は、公正・公平な評価も危ぶまれる差別につながる人事考課制度は中止すべきだと思いますが、質問いたします。
質問の3番目は、「人事考課結果を給与にリンクすべきではない」が48%、「勤勉手当に反映すべきでない」と「現状のままでは反映すべきでない」と合わせて67%となっています。給与にリンクしたり、勤勉手当に反映することは直ちに中止すべきだと思いますが、質問いたします。
次に、高齢者向け給付金についてであります。
さきの平成27年度一般会計補正予算で、年金生活者等支援臨時福祉給付金給付で1人当たり3万円、支給対象者2万7,000人、事業費8億3,634万9,000円が可決されています。そして、臨時福祉給付金給付として、1人当たり平成26年度は1万円、平成27年度は6,000円、平成28年度は3,000円支給されます。平成28年度の支給総額は1億3,500万円、支給対象者は4万5,000人とされています。
質問の1番目は、政府の臨時福祉給付金の目的は何なのでしょうか、お伺いいたします。
質問の2番目は、平成26、27年度の支給額と対象人数についてであります。何人に幾ら支給されているのでしょうか、質問いたします。
質問の3番目は、年金生活者等支援臨時福祉給付金についてであります。さきに平成27年度一般会計補正予算分は説明いたしましたが、平成28年度は、支給額は1人3万円、支給対象者は3,100人、予算額は9,300万円とされていますが、平成27年度一般会計補正予算との違いはどこにあるのか、質問いたします。
次に、立花保育所の閉所についてであります。
一般会計予算歳出3款2項3目保育所管理運営費についてのうち、引継ぎ保育委託料240万円についてであります。これは、立花保育所閉所に伴う引継ぎ保育委託料とされ、公立保育所民営化を行う場合の条件として、保護者から引き継ぎ保育の要望が強いことから、平成28年度末に閉所する立花保育所において、閉所するまでの4カ月間、晴心幼稚園の保育教諭3人による引き継ぎ保育を実施するというものであります。
今治市は、立花保育所が老朽化したことから、廃止し、民営化する。民営化の手法は、1つ目に、公募とプレゼンテーションを平成27年9月ごろ実施、2つ目に、今治市子ども・子育て会議専門部会を設け、応募者の中から平成27年11月ごろ選定するとして、新しい認定こども園は平成28年度に建設、平成29年4月1日に開園するというものでした。私は、民営化するには保護者との話し合いで同意を得る必要があること、さらに、児童福祉法第24条第1項、市町村の保育実施義務について、市町村は保育を必要とする子供を保育所において保育しなければならないとあり、民営化すべきでないと主張してきました。今治市は、私立で建設すれば国や愛媛県の補助金の交付があり、安く建設することができると、今治市子ども・子育て会議施設選定部会で事業者が選定された後、保護者説明会を行うと答弁しています。
質問の1番目は、私の質問してきた以後の動きについて、公募とプレゼンテーションの結果と内容について質問いたします。
質問の2番目は、子ども・子育て会議の内容について。
質問の3番目は、保護者会議における参加者数や、保護者から出された意見、要望について、どういう内容であったのか、質問いたします。
次に、中学卒業するまでの医療費の無料化についてであります。
高い国民健康保険税で大変、その上、病院にかかると医療費も大変と、子育て中の親の話題になります。今では愛媛県下の全自治体で就学前の通院医療費と小中学校卒業までの入院医療費が無料化されています。さらに、中学校卒業までの通院医療費の無料化の声も切実になっています。
こうした世論を反映し、愛媛県下でも中学校を卒業するまでの医療費の無料化は12市町で実施または実施の方向が出されています。東予4市では、四国中央市は平成27年10月から実施、新居浜市と西条市は平成28年10月から実施、今治市は平成27年10月から歯科のみ実施となっています。こうなりますと、市民からは、「何で今治市も中学校を卒業するまでの医療費の無料化をしないのか」となります。
そこで、質問の1番目ですが、なぜ今治市は中学校を卒業するまでの医療費の無料化ができないのでしょうか、お伺いいたします。
質問の2番目は、小中学生の医療費を無料化すれば幾らの経費が必要なのか、お伺いいたします。
次に、国家戦略特区(獣医師養成系大学の誘致)についてであります。
政府は、国家戦略特別区域諮問会議で、地域限定で規制緩和する「地方創生特区」で今治市と広島県を一体として指定しています。今治市と広島県を一体としたのは、しまなみ海道でつながっており、相乗効果が得られると見込んでのことと思います。この特区は、「観光・教育・創業などの国際交流・ビッグデータ活用特区」とされています。そして、獣医師養成系大学の誘致となっています。
この獣医師養成系大学の誘致は愛媛県と共同で2007年から16回にわたり特区提案をしてきました。しかも、四国は獣医師養成系大学の空白地帯となっています。今治市は新都市第2地区への誘致を用意しています。誘致できれば、若者の流入を初め、波及効果が大きいことが予想されます。しかし、誘致するにはさらなるハードルがあります。市長は、ことし、年明けに広島県知事を訪問し、特区の取り組みに対し、相互に協力体制を確認したようであります。今治市は特区推進を強めるため、機構改革で国家戦略特区推進室を設置するようですし、今治市議会も特別委員会を設ける話もあるようです。ただ、私は、政府の推進する国家戦略特区は、財界が一貫して主張する道州制を推進する狙いがあることに注意をしなければならないと思っています。
質問の1番目は、これから獣医師養成系大学の誘致をするにはどういう課題があるのでしょうか。
質問の2番目は、今後のスケジュールはどうなるのか、お伺いいたします。
長くなりましたが、以上で私の質疑、質問を終わらせていただきます。
17:
◯渡辺文喜議長 答弁を求めます。
18:
◯菅 良二市長 山本議員、長い年月、こうして今治市議会議員として活躍であります。きょう、多岐にわたるご質問でありました。中身の濃い質問をいただきました。
そういった中で、いつも本会議で、人間的には敬愛してやまない山本議員でありますけれども、やはり立場の違いがあるのかなと。例えば人員削減の問題、給与の問題。私は10人の職員に聞きます。「給与を下げるか、守備範囲が広がっても給与を何とか下げないでもらいたい、どちらを
選択するか」と言えば、間違いなく10人が10人、「守備範囲、仕事はふえても給与だけは下げないでほしい。家に入れてもらえなくなる」ということであります。恐らく職員もそうでしょう、我々理事者も羽藤市長、岡島市長の時代に比べて守備範囲が随分広くなりました。行かなければならないところがいっぱいあります。でも、それは、合併した大きな宿命でもあるし、また、世の中が公務員に求めることが多くなってきておりますから、しっかりと取り組んでいく、これはやむを得ないことだと思っております。これからももちろん職員との対話は続けてまいります。
もう1点は、住宅リフォーム助成制度につきましてのお言葉もいただきました。私は、学校の耐震化は急務だと思っておりました。それは、まず、大切な子供たちの命を守る、同時に、あってはならない南海トラフ巨大地震等の災害が起きたときの市民の避難所としての大きな役割、そういったことからも、学校の建物については、しっかりと、できるだけ早く、そういう思いで、やっとその結果が出てきたと思っております。そして、やはり、阪神・淡路大震災のときに、柱に挟まれて、火が燃え移って、まさに生き地獄、ああいったことを頭に置いておりました。南海トラフ巨大地震で、万が一のときに圧死することのないように、できるだけ大勢の方に住宅を見直してほしいという願いはありました。予算の関係がありますから、そう簡単ではありません。でも、一歩進めることができたのかと思っております。やらなければならないことは山積しておりますが、一つ一つ予算をにらみながら前に向いて進んでいきたいと願っております。
私からは、国家戦略特区(獣医師養成系大学の誘致)についてに関しましてお答えさせていただきます。
今回の国家戦略特区の指定は、安倍内閣の地方創生の大看板として、中四国では初、全国でも1次指定から3次指定を合わせて10区域のうちの一つに我が今治市が選ばれたものでございます。本市におきましては、この特区の制度を最大限に活用して、観光、教育、創業など多くの分野で国際的な交流人口の流れを呼び込む施策を展開していこうとするものでございます。中でも一番の本命は大学誘致であります。
ご質問の1番目、誘致する課題についてでございます。
まず、誘致を目指しております獣医師養成系大学は、現在、全国に16大学あり、定員930名でございますが、文部科学省告示の大学設置認可基準において、定員増となる大学の設置等は一切認められておらず、これまで約50年間新設されていない状況でございます。
この岩盤規制を突破するため、愛媛県と連携しながら、平成19年から15回にわたり構造改革特区提案を行い、加戸前知事の時代から中村知事、私どもも再三にわたり関係省庁へ要望を続けてまいりました。その結果、昨年の6月30日に閣議決定された日本再興戦略に獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討を行う旨が明記され、本年1月、正式に国家戦略特区の指定と区域方針が決定されました。この方針の政策課題として掲げられたスポーツ・教育面における国際交流拠点の整備に向けて、事業に関する基本的事項である国際教育拠点の整備(獣医師系(ライフサイエンスなどの新たに対応すべき分野))について議論されるものと考えております。
次に、2番目のスケジュールについてでございます。
今後は、内閣府の主導で進められることになりますが、国や関係自治体、有識者等で構成される、法定機関である区域会議で具体的な検討が行われ、事業者の公募を経て、区域計画が認定される流れとなっております。成田市の医学部新設スケジュールをもとに想定で申し上げますと、最速で平成30年4月の開学となれば大変ありがたいと考えております。
今月30日、急遽でありますけれども、広島県知事、民間の代表者の方々との協議も早速組まれております。一つ一つ着実に前に向いて進むように頑張ってまいりたいと思っております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
19:
◯渡邊 徹産業部長 山本議員ご質問の住宅リフォーム助成制度についてと、人口減少対策についてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
住宅リフォーム助成制度についての1番目、補助限度額についてにつきましては、ご質問のとおり、予算額は2,000万円、リフォームに要した費用が20万円以上の工事に対しまして、補助金額は20万円を上限に、工事に要する費用の10分の1の額となります。また、菊間瓦を使用する場合は、10万円を上限に、面積1平方メートル当たり1,000円を乗じた額を加算することを考えております。
なお、補助の対象者としましては、今治市内に住所を有し、建築後10年以上経過したリフォーム工事を行う住宅の所有者で、3年以上居住していることなどの条件を検討しております。
2番目の施行期日についてでございますが、ご質問のとおり、平成28年4月1日から施行することを考えております。
次に、人口減少対策についてでございますが、本市の人口は、先日、平成27年国勢調査の人口速報値が公表されましたとおり、前回、平成22年対比マイナス8,347人、全国の自治体でワースト13位という危機的な局面を迎えており、人口減少対策を喫緊の課題として積極的かつスピード感を持って講ずる必要があると改めて認識したところでございます。
この人口減少問題に歯どめをかけるため策定いたしました計画が「今治市まち・ひと・しごと創生総合戦略」でございます。この「今治市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を踏まえ、人口流出の抑制、出生数の増、交流人口増による人口減少の抑制に向けた取り組みと、それらと一体となって好循環を生み出すための人口減少に対応した社会システムを再構築する地域活性化の取り組みを、まち・ひと・しごとの観点から分野横断的に取り組んでいくこととしております。
市長が施政方針で申し上げましたように、平成28年度は、「若者人材定着の促進」「今治ブランドの推進」に重点を置きながら、今治市に住み続けたい人をふやす、また今治市で働く人をふやすため、今治市外から今治市への人の流れをつくってまいります。
1つ目の「若者人材定着の促進」については、今治市外から移住する働き手世帯、子育て世帯を対象に、個人の住宅取得に対し、上限50万円を助成します。中心市街地区域への移住は全ての世帯が対象になります。また、今治市外からの雇用者の拡大と企業等の人材確保のために、社宅を建設する企業等に対する奨励金制度を創設いたします。さらに、愛媛県と連携して、愛媛県外から移住する働き手世帯、子育て世帯が空き家を改修する費用や、家財道具の搬出等に要する費用を補助する移住者住宅改修支援事業を新たに実施し、特に人口減少の著しい周辺地域等への移住者に対しては、今治市独自の上乗せも行ってまいります。また、先ほどお答えいたしました住宅リフォーム助成制度は、定住促進に効果を発揮すると期待しております。
2つ目の「今治ブランドの推進」については、引き続き、しまなみ海道などを生かした観光産業や、造船、タオルなど基幹産業を振興するとともに、これらを活用したブランド戦略やシティープロモーションにより、今治市のイメージアップを図ってまいります。また、国民体育大会のプレイベントや国際サイクリング大会の開催により、地域の魅力を全国に発信し、交流人口の拡大に努めてまいります。
このように、恵まれた地域資源を最大限に生かした「ふるさと今治」づくりに取り組むことによって、50年後、100年後も幸せに暮らせるまちの創造を目指すものでございます。そのために、必要な施策に対し、スピード感を持って強力に進めていくことで、地域の活性化や人口流出の抑制につなげてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
以上でございます。
20:
◯渡辺英徳総務部長 山本議員ご質問のうち、人事院勧告について、雇用について、降給についてにお答えいたします。
まず、人事院勧告についてのうち、1番目の2015年人事院勧告についてでございます。
平成27年の人事院勧告では、実に24年ぶりとなる2年連続の月例給と特別給の両方の引き上げが勧告されました。今治市の給与制度は国家公務員の給与に準拠することを基本としていることから、人事院勧告に準じた給与改定を実施するため、本議会に関連議案を上程し、議会初日に議決をいただいたところでございます。
山本議員ご指摘のとおり、国におきましては、月例給の官民較差のうち約80%を地域手当によって改定することとしており、地域手当が支給されない地域の自治体におきましては、その部分の引き上げが行われないことになります。官民を通じて給与水準の地方と都市部の地域間格差が拡大することにつきましては懸念しております。
次に、2番目の引き上げ額と率、適用人数についてでございます。
今回の給与改定では、職員1人当たりの平均改定額が848円、平均改定率が0.27%となっております。給与改定の適用を受ける職員の数は、昨年4月に実施した給与制度の総合的見直しの影響により、3年間の経過措置の対象となっている職員がいるため、全職員のうち754人となっております。
次に、3番目のラスパイレス指数についてでございます。
今治市の平成27年4月1日時点のラスパイレス指数は93.8となっており、平成26年の94.4からマイナス0.6ポイントとなっております。これは、今治市と国では昇給日が異なるため、ことし4月に実施しました給与制度の総合的見直しの影響により、一時的に低下したものでございます。3年間の経過措置期間終了後は、もとの水準に回復するものと考えております。
また、ラスパイレス指数につきましては、合併時に旧今治市より相対的に給与水準の低い団体と合併したことにより、合併直後の平成17年は90.0でございました。合併後、新今治市の昇給基準を適用することにより、10年間で約4ポイント上昇しております。今後も適切に人事管理を行うことにより、ラスパイレス指数の改善が図られるものと考えております。
次に、4番目のフレックスタイムについてでございます。
今治市におきましても、人事院勧告に基づいたフレックスタイム制に対応するため、本議会に条例改正案を上程しております。しかしながら、山本議員ご指摘のとおり、制度の実施につきましては、住民サービスの低下や職員の混乱を招く可能性があることから、国の実施状況や制度のメリット、デメリットを検討した上で慎重に判断したいと考えております。
次に、5番目の給与実態についてでございます。
今治市におきましては、正規職員の給与につきまして、人事院勧告に準じた水準にすることとしております。平成17年以降の人事院勧告を見渡しますと、厳しい社会経済情勢を反映して、月例給と特別給、いずれも当時の水準から引き下げられております。そのため、今治市の正規職員の給与水準につきましても当時と比べて低下しております。
非正規職員の給与水準につきましては、地域の民間企業の水準や正規職員の給与改定の状況などを考慮して決定しております。その結果、月例給に加えて特別給が支給される臨時事務員や臨時作業員、臨時調理員などの一部の職種につきましては、当時と変わらない給与水準となっております。
なお、アルバイト事務員、アルバイト作業員につきましては、平成26年度に約7%の増額改定を実施したほか、保育士、支援員、船員といった専門職につきましては、必要に応じた改定を実施しているところでございます。
次に、雇用についてのうち、1番目の今治市の非正規雇用についてでございます。
正規職員数につきましては、今年度4月現在の職員数は、合併時と比較して400人削減しております。これは、職員採用の抑制や、事務事業や組織等の見直し、民間委託や指定管理者制度の活用などにより達成できたものと考えておりますが、臨時・嘱託職員の活用につきましてもこの取り組みの一部でございます。
この臨時・嘱託職員の活用につきましては、決して正規職員から非正規職員への置きかえをしているものではなく、事務事業の見直しや民間委託等ができない業務のうち、資格や経験が必要な専門的な業務、また事務補助的な業務につきまして、戦略的に非正規職員を活用しようとするもので、行政サービスを低下させることなく、今後の多様な社会情勢や市民のニーズに対応していこうとするものでございます。
また、他の企業への波及についてでございますが、やはり民間には利益追求といった基本となる観念がございます。国や地方公共団体の取り組みがそのまま企業に直結するものではなく、各企業におきまして適切に判断されるものと考えております。
次に、2番目の行政改革ビジョンの職員削減についてでございます。
今後、地方交付税の大幅な削減が見込まれ、将来の社会経済情勢の変化に対応できる効率的な高度化した組織づくりが求められている中、市民の信頼や協力を得るために、行政サービスを維持向上させ、さらなる業務の効率化、職員の人材開発、少数精鋭化による職員数の削減など、行財政改革をさらに進めていく必要がございます。
平成27年1月に新たに第3次今治市定員適正化計画を策定し、今治市行政改革推進審議会におきまして行政改革ビジョンの一つの重点目標として掲げられ、答申をいただきました。その内容といたしましては、平成26年4月の職員数1,466人を平成32年4月までの6年間で100人削減するものでございます。これにつきましては、類似団体との比較や、人口、面積、事業所数などの数値をもとに平均的な職員数を求める定員モデルでの試算によりますと、いまだ職員数の超過傾向が見受けられており、引き続き定員の適正化を図る必要があると考えております。そのために、施設や部課の統廃合を積極的に行い、少数精鋭の職員を最大限に活用するスリムな行政組織の構築や組織の核である職員の人材開発を積極的に行うなど、組織力の向上を図ることにより、行政サービスを低下させることなく、職員の削減を実現したいと考えております。
次に、降給についてのうち、1番目のなぜ降給項目を導入するのかについてでございます。
平成26年に成立した改正地方公務員法が平成28年4月から施行され、これに伴い、国から職員の降給に関する条例を定めるよう通知が出されております。今治市におきましては、現在制定しております「今治市職員の分限に関する手続及び効果に関する条例」に降給に関する規定を盛り込むこととし、条例案を上程させていただいたものでございます。
また、降給の事由の一つに、人事評価の結果など勤務実績がよくない場合を挙げておりますが、これにつきましても、改正地方公務員法におきまして、人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用することが求められていることを踏まえて規定しようとするものでございます。
次に、2番目の人事考課制度は中止をと、3番目の人事考課結果と給与リンクについてをあわせましてお答えさせていただきます。
地方公務員法の改正に伴い、平成28年4月から人事評価の実施が義務づけされることとなっており、国が行った調査では、ことし1月1日時点の状況で、全国全ての自治体が平成28年度中に人事評価制度を導入する予定となっております。また、先ほど申し上げましたが、改正地方公務員法では、人事評価の結果を任用や給与などの人事管理の基礎として活用することが明記されており、給与につきましては、昇給及び勤勉手当について国の取り組みを参考にして人事評価結果を活用した運用を図るよう通知が出されております。
今治市におきましては、平成15年度から人事考課制度を導入し、制度の定着を図ってまいりました。この間、職員組合とも協議を重ねながら、平成21年度から人事考課結果を全職員の昇給に反映させるとともに、来年度からは全職員を対象に人事考課結果を勤勉手当の成績率に反映することを予定しております。
こうした運用に当たっては、人事考課に関する研修の継続した実施や、人事考課結果の開示、結果を通知する際の面接の実施などによりまして、評価の公平・公正性の確保と、評価される職員の納得度の向上を図っております。今後も引き続き制度の改善を図りながら運用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
21:
◯村上伸幸健康福祉部長 山本議員ご質問の高齢者向け給付金についてと、立花保育所の閉所についてお答えいたします。
最初に、高齢者向け給付金についての1番目、政府の臨時福祉給付金の目的についてでございます。
平成26年4月の消費税率5%から8%への引き上げに際し、低所得者に対し、その影響を緩和する臨時的措置として給付金を支給しているものでございます。
次に、2番目、平成26、27年度の支給額と対象人数についてでございます。
平成26年度は、平成26年4月から平成27年9月までの1年6カ月を対象期間としており、支給額は1人1万円で、3万8,011人に支給しております。このうち、老齢基礎年金の受給者等2万3,372人には5,000円を加算して支給しております。平成27年度は、平成27年10月から平成28年9月までの1年分を対象期間として、支給額は1人6,000円でございます。3万7,358人に支給決定しております。
次に、3番目の年金生活者等支援臨時福祉給付金についてでございます。
平成28年度当初予算と平成27年度補正予算の違いでございます。年金生活者等支援臨時福祉給付金は、内容が高齢者向け給付金と、障害・遺族年金受給者向け給付金とに分かれますが、支給時期の関係から、高齢者向け給付金を平成27年度補正予算で、障害・遺族年金受給者向け給付金を平成28年度当初予算で計上しているものでございます。
高齢者向け給付金の対象は、平成27年度臨時福祉給付金の支給対象者のうち、平成28年度中に65歳以上になる方を対象としています。臨時福祉給付金は市民税均等割が課税されていない方が対象になりますが、均等割が課税されている方の扶養親族になっている方や生活保護受給者は対象外となります。受け付け期間は4月28日から7月29日を予定しております。
次に、障害・遺族年金受給者向け給付金の対象は、平成28年度臨時福祉給付金の支給対象者のうち、障害基礎年金、遺族基礎年金等の受給者が対象となりますが、先ほど申し上げました高齢者向け給付金の支給を受けた方は対象となりません。受け付け期間は9月1日から12月28日を予定しております。
どちらの給付金も1人3万円ですが、こうした支給時期や支給対象者の違いから、予算計上時期や予算額に違いがあるものでございます。
次に、立花保育所の閉所についてお答えいたします。
ご質問の1番目、公募とプレゼンテーションの結果についてと、2番目、子ども・子育て会議の内容については関連がございますので、あわせてお答えいたします。
公募につきましては、平成27年7月30日から9月30日までの2カ月間を公募期間とし、保育認定の子供の定員を100名程度以上確保すること、整備箇所を立花中学校校区とすることなどを条件に募集しましたところ、学校法人晴心学園から応募がございました。10月22日に民間の有識者5人による今治市子ども・子育て会議施設選定部会を開催し、応募書類に基づく書面審査と、あわせて晴心学園によるプレゼンテーションを行い、幼児教育・保育、認定こども園の運営方針等の説明を受けて審査いたしました。その結果、150点満点中119.6点の得点が得られ、晴心学園が選定されたものでございます。
次に、ご質問の3番目、保護者会議の内容についてでございます。
保護者の皆様に対しては、これまで、平成27年10月30日に立花保育所で、11月25日に晴心幼稚園で保護者説明会を開催いたしました。それぞれ70名と22名の出席がございました。質問や要望として、給食の実施方法、保育の継続要望、費用負担の詳細等のことがありましたので、給食は自園調理方式で提供されること、保育の継続については、立花保育所からの継続児童は全員入園できるよう配慮する方針であること、費用については、今後、詳細が固まり次第、改めて説明させていただく予定であることなどをご回答させていただきました。
以上でございます。
22:
◯白石卓夫市民環境部長 山本議員ご質問の中学卒業するまでの医療費の無料化についてお答えいたします。
1番目の医療費の無料化ができない理由と、2番目の無料化にかかる経費についてでございますが、関連がございますので、一括してお答えさせていただきます。
子供医療費の助成につきましては、乳幼児医療費と平成27年4月から父子家庭へも拡大したひとり親家庭医療費は愛媛県補助事業でございますが、今治市の持ち出しが、乳幼児医療費が平成26年度実績で約1億8,000万円、ひとり親家庭医療費の平成27年度見込みが約7,000万円となっております。さらに、今治市単独事業であります小中学生の入院医療費の平成26年度実績が約1,000万円、同じく平成27年10月から実施いたしました今治市単独事業の小中学生の歯科通院医療費の平成28年度見込み約4,000万円を加えますと、年間約3億円を本市が負担いたしております。
これに加えて、中学校を卒業するまでの医療費の無料化を実現するためには、あくまで参考ではございますが、小学生の通院医療費無料化で年間約1億8,000万円、中学生の通院医療費無料化で年間約1億円、あわせて約2億8,000万円程度の経費がかかると見込まれ、毎年総額約5億8,000万円という多額の財政負担が生じることとなります。中学校卒業までの通院医療費無料化の拡大は子育て世帯の経済的支援策として大変効果のあるものと考えておりますが、その全額が今治市の負担となることから、厳しい財政状況のもとで、継続的に生じる将来的負担のことも見据えて行わなければなりません。
このような状況のもと、本市は、自治体の財政力の差により、同じ子育てをする世代同士で不公平が生じる状況について改善を図る必要があると考え、昨年、市長会を通じて、国の施策として全国一律の子供の医療費助成制度の創設を要望いたしました。今後もあらゆる機会を捉え、国や愛媛県に訴え、制度拡充に必要な財源確保に努めたいと考えております。
以上でございます。
23:
◯渡辺文喜議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
24:
◯山本五郎議員 議長。
25:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
26:
◯山本五郎議員 それでは、まず、住宅リフォーム助成制度についてであります。
愛媛県内の実施自治体で、予算額がなくなり、追加予算を組んだという話を聞きますが、今治市も予算額2,000万円がなくなった場合、追加予算を組む予定があるのかどうか質問いたします。
27:
◯渡邊 徹産業部長 お答えいたします。
来年度初めて創設する制度でありますので、市民の皆様にはご理解いただけるよう、丁寧に周知を心がけてまいりますが、制度につきましてどれだけのご要望があるかなど、予想が難しいことから、まず当初予算の範囲内での対応を考えております。今後、制度の利用実態を見きわめながら、次年度以降の対応を検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
なお、予算総額を上回る場合は、公平性が必要なことから、補助金の交付申請ができる方を抽せんにより決定することや、今治市内で幅広くご利用しやすいように、受け付けにつきましても、本庁はもとより、各支所でも対応できるような体制づくりなども検討しております。
以上でございます。
28:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
29:
◯山本五郎議員 議長。
30:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
31:
◯山本五郎議員 次に、ラスパイレス指数について再度お伺いします。
安倍総理は、この3年間で雇用がふえ、高い賃上げも実現し、景気は確実に回復軌道を歩んでいるとアベノミクスの成果を自画自賛しています。ところが、実態は、国民の71%が「安倍内閣のもとでは景気の回復は実感していない」と答えています。
一方、大企業は2年連続で史上最高の利益を上げ、内部留保は初めて300兆円を超えています。大企業をもうけさせれば、その恩恵がいずれ庶民の暮らしに回るというトリクルダウンの理論は破綻をしています。
そこで、ラスパイレス指数について、せめて人事院勧告に準じると言うなら、先にラスパイレス指数を100にする賃金改善をすべきではありませんか。お尋ねいたします。
32:
◯渡辺英徳総務部長 お答えいたします。
地方公務員法により、職員の給与水準につきましては、均衡の原則により、国及び他の地方公共団体職員や民間企業の給与を考慮して定めることとなっております。一定の給与水準を維持することは、人材の確保や職員の勤務意欲の向上、労使間の安定等につながり、行政運営の安定に寄与するものであることから、今後も適切な人事管理を図りながら、ラスパイレス指数の改善に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
33:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
34:
◯山本五郎議員 議長。
35:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
36:
◯山本五郎議員 それでは、次に、高齢者向け給付金についてであります。
生活保護受給者は対象外とされているようですが、なぜ生活保護受給者が対象外となるのか、お尋ねいたします。
37:
◯村上伸幸健康福祉部長 お答えいたします。
今回の低所得の高齢者向け給付金は、基本的に生活費に充てられるものと考えられており、仮に生活保護受給者に支給したとしても、年金などの他法施策による給付と同様、生活保護制度上、収入認定されることとなり、その分、生活保護費が減額され、手取り収入の増加にはつながらないため、支給対象外とされております。このことは、臨時福祉給付金、障害・遺族年金受給者向け給付金も同じでございます。
以上でございます。
38:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
39:
◯山本五郎議員 議長。
40:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
41:
◯山本五郎議員 生活保護制度について言えば、最低限度の生活が保障されるということになっているわけですけれども、こうした大変な状況にある人たちが、その給付金を受ければ収入認定をされると。おかしな話であると思うわけですけれども、政府の解釈がそうなっているということで、仕方がないと思います。
それでは、次に、立花保育所は、結局、平成29年3月に閉所する。そして、民間で建設された新しい認定こども園が平成29年4月に開園するということは、現在ある立花保育所以外の土地に認定こども園を建てるということになるのでしょうか、どうでしょうか、お伺いいたします。
42:
◯村上伸幸健康福祉部長 お答えいたします。
認定こども園は、ご指摘のとおり、晴心幼稚園の敷地で園舎を改修して整備されるものでございます。
以上でございます。
43:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
44:
◯山本五郎議員 議長。
45:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
46:
◯山本五郎議員 それでは、中学卒業するまでの医療費の無料化についてお尋ねいたします。
今治市の答弁は、結局、厳しい財政状況にあるからできないということになるわけです。全国どこの自治体も財政が厳しいのは同じことです。愛媛県下で実施している12の自治体も、財政的に厳しいにもかかわらず、中学校卒業までの医療費の無料化を実現しているのが実態です。近隣の、あるいは類似団体の行政水準など、内容について均衡を図ることが行政を運営していく上で非常に重要な要素の一つだと思います。要は、市民から集めた税金をどこに使うのかではありませんか。これを実現しようと思えば実現できる。できないことはないと私は思います。市民の福祉、医療など、健康を守ることを優先する市政が求められているのです。実現する気はありませんか。改めて質問いたします。
47:
◯菅 良二市長 ご指摘の中学卒業するまでの医療費の無料化についてでございます。
皆さん、今、話題になっておりますのが、「保育園落ちた日本死ね!!!」「一億総活躍社会じゃねーのかよ」。あの投書は、恐らく国会議員だけでなく、日本中の自治体、我々も、そして皆さんもズキンとしたと思います。子ども・子育てを一生懸命進めている国、我々自治体、まさにそこの間隙を突かれたような思いがしております。できるだけ子供を安心して社会に送り出せる、そして子供をしっかり産み育ててくれた親が仕事ができる、これはまさに真髄を突いていたと思っております。そういった社会にしていかなければならないと反省しております。
ただ、皆さんよくご承知のとおり、歯科通院医療費の無料化をしたときに、今度は医科の問題が出てくる。果たして、このときの予算措置がどうなるかといったことを含めますと、約2億8,000万円という大変な額になりそうであります。
東予地域でこの問題が随分と。四国中央市に始まりました。四国中央市は、ご承知のように香川県、徳島県が子供の医療費無料化についての取り組みがかなり早くて、その影響を随分受けている。その流れからあのように平成27年10月から実施ということ、そしてそれがお隣の新居浜市、西条市と連なってきております。
私は、四国中央市がこういった方針を出したときに、愛媛県での知事とのトップミーティングの席におきまして、「これは、やはり愛媛県として真剣に取り組んでもらいたい」と。そのときの知事の答弁が、「逃げるつもりはない。でも、これは国全体の問題である。我々も知事会を通じて国に訴えていきたい。市長会からもよろしく頼む」というお話でありました。四国市長会で私はこの問題を取り上げさせてもらって、「ぜひとも全国の市長会で真剣にお考えいただきたい。我々自治体の限られた予算の中でこれを進めていくのは大変厳しいものがある」というお話もさせていただきました。私ども、国の方向といったものをしっかりと見詰めながら、これからのありよう、子ども・子育ては大変重要でありますので、このことも考えていきたい。
しかし、予算といったものをにらみながら、いつも申し上げております30年、50年先の今治市に大きな財政負担を残さない、そういう状況が今、求められている。そのことを自覚しながら進めてまいりたいと思っております。ご理解賜りますようお願い申し上げます。
48:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
49:
◯山本五郎議員 議長。
50:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
51:
◯山本五郎議員 実は、次の質問に市長に答弁をしていただきたいと思ったのですけれども、私の質問に関しては先ほど市長が全部述べてしまったということになっております。だから、内容だけを紹介させていただきたいと思うわけです。
子供の医療費の無料化が最も進んでいるのは岡山県だそうです。ほとんどの自治体が中学校を卒業するまで通院医療費、入院医療費も無料化にしていると。さらに、高校を卒業するまでの医療費の無料化を行っているのが3自治体あるということです。岡山県では、小学校を卒業するまでの医療費の2分の1を、岡山県が市町村に助成を行っていて、市町村はそれに上乗せをする。そういうことで、入院医療費、通院医療費の無料化が非常にやりやすい、こうなっているわけです。
私は初日の市長の施政方針を聞き、あるいは再度読ませていただきました。その中で、平成28年度に実施する重要な施策として、今治市基本構想の7つの施策の大綱を打ち出しました。その第1に打ち出しているのが「健やかに安心して暮らせるまちづくり」です。「まちづくりの主役である市民が、子供からお年寄りまで住みなれた地域で互いに支え合い、生涯を通じて健やかに安心して暮らせるようなふるさとを築いてまいります」、さらに「子育て支援につきましては、子育てに関する様々なニーズに対し、子ども・子育て支援事業計画に基づき、子育て支援を充実し、その実現に努めてまいります」と述べているわけです。ぜひこうしたことについて、先ほどの市長の答弁もあわせ、実現を目指してご奮闘願いたいと思っております。
さらに、引き続いて、子供の医療費問題について質問を行います。
子供医療費の助成について、乳幼児医療費と平成27年4月から父子家庭へも拡大してきたひとり親家庭医療費は愛媛県の補助事業だと言われていますが、今治市の持ち出しは乳幼児医療費で約1億8,000万円、ひとり親家庭医療費は約7,000万円。すると、愛媛県の補助事業で、愛媛県は幾ら助成しているのか、お尋ねします。
52:
◯渡辺文喜議長 暫時休憩いたします。午後1時から再開いたします。
午後 0時02分
──────────
午後 1時00分
53:
◯渡辺文喜議長 会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑、一般質問を行います。
山本五郎議員の再質問に対する答弁を求めます。
54:
◯白石卓夫市民環境部長 お答えいたします。
子供医療費助成に関する愛媛県補助事業の助成金額と補助率でございますが、乳幼児医療費につきましては、助成金額が約1億2,000万円、補助率は、就学前の児童の入院が2分の1、通院につきましては、3歳未満が2分の1、3歳以上就学前が一月当たり2,000円を超える部分に対し、2分の1でございます。
ひとり親家庭医療費の助成は、助成金額が約7,000万円、助成率は2分の1でございます。
以上でございます。
55:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
56:
◯山本五郎議員 議長。
57:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
58:
◯山本五郎議員 子供の医療費助成についてですけれども、今治市の単独事業である小中学生の入院医療費は約1,000万円、それから、小中学生の歯科通院医療費は約4,000万円と答弁をされています。ところが、こうした市単独事業を実施している自治体に対し、政府は国民健康保険特別会計の歳入、国庫支出金の国庫負担金及び国庫補助金を減額するというペナルティーをかけてきています。今治市は、市民の要望に応え、少しでもよりよい福祉、医療行政をとして実施したものに、ペナルティーをかけるなどというのはあってはならない、言語道断だと、中止を求めるべきだと思います。このペナルティーについて今治市はどう考えられているのか、質問いたします。
59:
◯白石卓夫市民環境部長 お答えします。
国民健康保険におけるペナルティーでございますが、地方自治体による少子化対策の取り組みを阻害しているものとして、その廃止を全国知事会、全国市長会、全国町村会から国に対し要請しているところでございますが、今後も引き続き要請していきたいと考えております。
以上でございます。
60:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
61:
◯山本五郎議員 議長。
62:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
63:
◯山本五郎議員 ペナルティーの問題は、全国の自治体に影響する問題なんです。ぜひ、全国の自治体とも連携をしながら、これを中止させるようお願いいたします。
それでは、今治市の場合、幾らのペナルティーを受けているのでしょうか、お伺いいたします。
64:
◯白石卓夫市民環境部長 お答えいたします。
ご質問の本市の国民健康保険特別会計における影響額は、平成26年度決算において、乳幼児医療費分が約1,600万円、母子家庭医療費分も約1,600万円を見込んでおります。
以上でございます。
65:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
66:
◯山本五郎議員 議長。
67:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
68:
◯山本五郎議員 最後にいたしますけれども、今治市単独事業で小学生の通院医療費無料化に約1億8,000万円、中学生の通院医療費無料化で約1億円の経費がかかると答弁をされました。それでは、これらを実施したということになれば、ペナルティーは幾らぐらいになるのでしょうか、お伺いいたします。
69:
◯白石卓夫市民環境部長 お答えいたします。
中学校卒業までの通院医療費無料化を実施した場合における国庫負担金減額調整額は、小学生が約1,500万円、中学生が約800万円、合わせて約2,300万円程度が見込まれます。
以上でございます。
70:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
71:
◯山本五郎議員 議長。
72:
◯渡辺文喜議長 山本五郎議員。
73:
◯山本五郎議員 ぜひ、不当なペナルティーなどというものをなくすためにご奮闘願いたいと思います。
以上をもちまして私の全ての質問を終わらせていただきます。
74:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で山本五郎議員の質疑、質問を終わります。
次に、5番山岡健一議員。
75: ◯山岡健一議員 まず初めに、議案第18号「平成28年度今治市一般会計予算」についてのうち、1番目、歳出2款1項13目コミュニティ放送推進費についての1点目、今治コミュニティ放送株式会社出資金についてお尋ねします。
民間企業であります今治コミュニティ放送株式会社への追加出資、今治市の持ち株を現在の40株(5.8%)から529株(45%)に増資するために2,445万円計上されていますが、なぜ今回このような増資が必要になったのか、その理由と、1株当たり5万円となっている算定方法の根拠をお答えください。また、追加出資に当たり、企業の活動や経営状況など、企業価値を判断した上での計画であるのか、お答えください。
次に、2番目、歳出9款1項5目防災情報通信システム整備費についての1点目、防災情報伝達機能拡充事業費についてお尋ねします。
こちらも民間企業であります今治コミュニティ放送株式会社への補助金として6,240万円が計上されています。まず、移転事業に対する補助金3,280万円、私がいただいております資料では、緊急防災情報伝達システムの一翼を担うFMラヂオバリバリがみなと交流センターへ移転するために要する経費を補助とあります。内訳は、引っ越しに係る費用と新しい機材の購入費用とお伺いしていますが、その費用を今治市が支出しなければならない理由をお答えください。
次に、難聴地域対策補助金2,960万円、FMラヂオバリバリが行う放送エリア拡張調査設計業務に要する経費を補助ということでありますが、緊急防災情報伝達システムを担うに当たり、実際に今治市でどれぐらいの人がFMラヂオバリバリを聞いているのか、調査はされているのか、お答えください。
次に、市長施政方針について質問いたします。
1番目に、学園都市構想についてお伺いいたします。
学園都市構想と聞きますと、学校がたくさんあり、多くの学生でまちがにぎわっていると私は勝手に想像を膨らませ、イメージをしておりますが、実際にこの施策はどのような計画を持って学園都市構想としているのか、また、この構想が、将来、今治市がどのような形に発展していくことを見据えているのか、詳細をお聞かせください。
2番目に、子育て支援についてお伺いします。
ご案内のように、平成27年度から運営開始された宮窪認定こども園に続き、平成28年度から吉海、伯方、上浦、大三島の4保育所を幼保連携型認定こども園として運営が開始されます。このことは、島嶼部の子育てにおける非常に重要な施策であると私は感じ、評価をいたしております。
しかし、まだ声の届いていない課題もあります。それは、親御さんが子供を遊ばせる公園施設の格差問題であります。今治市の公園の種類は、都市公園、その他の公園などがありますが、島嶼部における公園は、遊具の老朽化や危険性などで撤去されたりして、今治市内陸地部と比べ、子供を連れていって遊ばせる環境が少ないのではないかという親御さんたちからの意見を聞いております。
今回は公園遊具設置についての質問ではありませんので答弁は求めませんが、このように、地域の事情によりいろいろと課題があるのは事実であります。子育てに関するさまざまなニーズを把握するために、現役子育て世代の方からの意見を、認定こども園などあらゆる場面を通じて聞き、市政に反映することが大切であると思いますが、ご意見をお聞かせください。
3番目に、緊急防災情報伝達システムについてお伺いします。
先ほどの質疑にも同じ内容が含まれますが、全体的な内容についてもう少し詳しくお聞きします。
まず、災害といいましてもさまざまな状況がありますが、今回のシステムはどのような災害に対してなのでしょうか。施政方針では、「伝達手段の一つとして、費用対効果に優れたコミュニティーFMを活用してまいります」とありますが、ほかにどのような手段があるのか、また、どの部分で費用対効果にすぐれていると判断されているのかお尋ねします。また、このシステムを通じて伝達する緊急情報は、どこの情報をもとに発信するのかお尋ねします。そして、このシステムは、いつから本格稼働する予定なのか、お答えください。
4番目に、今治タオルブランドについてお伺いします。
ご案内のように、今治タオルは、今では日本国内のみならず、世界にも通用する一流ブランドであります。長年にわたる技術研究と民間企業の方々のはかり知れない努力と熱意により確立されたものだと私は感じております。今治市におきましても、中国の商標登録問題のときには、今治タオルブランドを守るために、官民、力を合わせて闘った経緯もあります。
さて、施政方針の中にも、「今治ブランドの推進」「産業の飛躍と創造に満ちた活力あるまちづくり」とありますが、今治タオルブランドに関して、これからどのような取り組みを考えているのかお聞かせください。
以上です。
76:
◯渡辺文喜議長 答弁を求めます。
77:
◯菅 良二市長 山岡議員のご質問、さまざまな観点からお話がありました。先ほどの山本議員のご質問とも関連があります子ども・子育てにつきましては、私どももしっかりと留意しなければならないと思いますし、島嶼部地域における公園整備等々についての言及もあったようでございます。
思い起こせば、平成8年に私は旧大三島町長に就任いたしました。昭和44年ぐらい、私は不遇時代で、ふるさとに帰りました。何しろお店もまだ十分にできていない時代でありまして、毎日、学生時代を思い起こしながら空手の練習、そして、安神山園地という非常に見晴らしのいい場所があるんですが、せっかくだから子供たちも一緒に誘って、そこに行って、大きく息を吸って、景色を見て、英気を養う。そして、いつかこの園地をもっと立派な公園にしたい、願わくば、子供たちが集えるような公園ができたらいいなというのがありまして、冒頭申しました平成8年に旧大三島町長に就任して一番最初に手がけたのが安神山わくわくパークでありました。そのことを思い起こしながら。確かに旧今治市内、それから旧郡部におきましても公園整備はかなり規模の大きいものができております。しっかりとそういったことも見詰めながら。しかし、公園というのは経費も結構かかって、維持管理が要ります。十分にそういったことも勘案しながら取り組んでいかなければならないなということを感じながら質問を聞いておりました。
私からは、市長施政方針についてのうち、1番目、学園都市構想についてに関しましてお答えさせていただきます。
本市の学園都市構想とは、高等教育機関の誘致、いわゆる4年制大学の誘致を、羽藤市長、昭和37年から5期された方でございますが、以来、歴代の市長が目指してきたものでございます。卒業されたOBの職員から聞きますと、羽藤市長時代に東海大学の松前総長、この方は旧社会党の重鎮でありました。羽藤市長に東海大学のというお話があったようであります。そのときのお話が「土地は今治市で用意できますか」ということだったようです。しかし、当時の市民の、そして何よりも今治市議会の対応といったものが、さすがにまだ機運が醸成されていなかったので断念したようでございまして、以来、ずっと学園都市構想というものが今治市の大きな課題でありました。
昭和50年からの旧今治市の総合計画基本構想に「高等教育における産業教育の促進」と掲げ、基本計画には「産業教育を主体とした大学の設置について検討する」と明記し、大学誘致の検討が始まったものでございます。その後、新都市への高等教育機関立地の可能性について模索を始め、現在は獣医師養成系大学を新都市へ誘致することを目指しております。
本市が目指す獣医師養成系大学は、定員規制により、北里大学獣医学科の新設以来、約半世紀にわたり新設されていないもので、今回の国家戦略特区の指定により、国の岩盤規制の突破口が開かれることと相なりました。今後、獣医師養成系大学の新設に向けて内閣府や愛媛県の助言を仰ぎ、議会や市民の皆様からもご理解をいただきながら、約40年来の悲願である学園都市構想を早期に実現したいと考えております。
今治市と松山市の一番の違いといいますか、顕著な違いは、松山市は大街道を中心に若者、学生が行き来しております。一方で、我が今治市にも今治明徳短期大学、今治看護専門学校、また波方地域にも船員養成の国立波方海上技術短期大学校がありますが、いかんせん、学生数が松山市とは全く違っている。そういった意味からも、若者が活躍できる、また、まちに来ていただける、イベントにも参加してもらえる、そのことは大きな意味もあります。もちろん、もっと違った経済波及効果等々も考えましたときに、何としても獣医師養成系大学の誘致を実現したいという願いがございます。
獣医師養成系大学は6年制であり、多くの学生が集まり、にぎわいが創出され、研究者が活躍することで関連産業が創出されるなど、地域経済の活性化や人口減少の抑制、若者の地元定着等に必ずやつながるものと確信しております。
その他のご質問につきましては、関係理事者からお答えさせていただきますので、よろしくお願いします。
78:
◯渡辺英徳総務部長 山岡議員ご質疑の議案第18号「平成28年度今治市一般会計予算」についてと、ご質問の市長施政方針についてのうち3番目、緊急防災情報伝達システムについてにお答えいたします。
答弁の便宜上、まず、緊急防災情報伝達システムについてお答えさせていただきます。
阪神・淡路大震災から21年、東日本大震災からもうすぐ5年が経過し、また、平成26年8月の広島土砂災害、昨年9月には茨城県常総市の鬼怒川氾濫による水害と、毎年のようにさまざまな災害が発生し、とうとい命が奪われております。今治市におきましても、今後30年以内に70%の確率で起こると言われております南海トラフ巨大地震や風水害など、あらゆる災害に備えることが重要でございます。
このたびの緊急防災情報伝達システムは、これらのあってはならない災害から市民の生命と財産を守り抜くために、各気象情報に伴う注意喚起や今治市災害対策本部などから発令する避難勧告などの緊急防災情報をより迅速かつ確実に伝達するものであります。平成27年度に基本計画、平成28年度に実施設計、平成29年度から31年度までの3カ年で整備を行い、平成32年4月からの運用開始を予定しております。
本システム構築に関しましては、今治市は、平地部に加えまして、島嶼部や山間部が多くの面積を占めており、複雑な地形であるがゆえに、整備計画は困難をきわめ、また、整備費用は巨額になります。加えまして、昨今の大規模災害の反省などから、これまでの整備の主体であった防災行政無線だけでは確実な情報伝達が困難であることから、今治市域をあらゆる伝達手段で幾重にもカバーして、市民への情報を確実に伝達する手法こそ最善の整備手法であると考えております。費用対効果にすぐれた効果的な今治市独自の整備手法の確立を目指してまいりたいと考えております。
情報伝達手段は、エリアメール、緊急速報メール、登録制メール、ホームページ、SNS、テレビ、屋外拡声子局スピーカー、屋内戸別受信機、コミュニティーFM、CATV、IP告知端末、広報車や自治会などによる呼びかけなどがございます。
先ほども触れましたが、これまでの情報伝達手段の主力と考えられておりました屋外拡声子局スピーカーにつきましては、屋外で活動している人への情報伝達手段として有効でありますが、広島土砂災害や鬼怒川の災害時に声がはっきりと聞き取れなかったなどの事例があり、これは防災情報伝達システムの主体にはなり得ないと判断し、津波、土砂災害、蒼社川氾濫などの危険想定区域への防災情報伝達手段の一つとして位置づけたいと考えております。
ただ、屋外拡声子局スピーカーは、音が聞こえることにより、何か警告を発していると気づかせることにより、携帯電話のメールやラジオなどで正確な情報を確認していただくことができるものと考えております。
屋外拡声子局スピーカーの概算整備費用でございますが、約20億円の予定で考えております。
次に、屋内戸別受信機ですが、全市域7万5,000世帯に整備した場合、約75億円から約100億円の費用が予想されることから、これにかわる有効な情報伝達手段としてコミュニティーFMの活用を行うものでございます。
今治コミュニティ放送株式会社を活用した整備費用は、施設移転経費、エリア拡大調査設計費、エリア拡大工事費、防災ラジオ購入費を足しました約2億4,000万円から最大で約10億円と予想しております。
また、今治コミュニティ放送株式会社とは平成14年2月6日に「災害時における緊急放送要請に関する協定書」を締結しており、今治市からの要請により、災害時には優先して災害情報などを放送したり、危機が迫っているなど緊急を要するときには今治市の災害対策本部から直接緊急放送を行うことができます。加えて、防災行政無線では、電波法にのっとった放送目的の観点から、放送できる内容が限定されております。その点、コミュニティーFMの場合は幅広い内容の放送が可能であり、過去の大災害でも、被災から復興まであらゆる状況、場面でその有効性が再認識されていることはご存じのとおりでございます。
また、コミュニティーFMを活用するメリットとして、広く普及しているラジオでいつでもどこでも聴取が可能ということが挙げられます。家庭にあるラジオやカーラジオなどで聞くことができ、さらに、自動起動機能つきの防災ラジオでは、緊急時には強制的にスイッチが入り、自動的に受信できる対応も可能でございます。
先ほど申し上げましたように、複雑な地形であるがゆえに困難をきわめます今治市の緊急防災情報伝達システム構築に関しましては、コミュニティーFMの活用を防災上重要な施策と位置づけ、費用対効果にすぐれた効果的な今治市独自の整備手法の確立を目指してまいりたいと考えております。
次に、ご質疑の議案第18号「平成28年度今治市一般会計予算」についてのうち、1番目、歳出2款1項13目コミュニティ放送推進費についての1点目、今治コミュニティ放送株式会社出資金についてにお答えいたします。
コミュニティーFMの活用を防災上重要な施策と位置づけておりますことは先ほど申し上げたとおりでございます。ただ、今治コミュニティ放送株式会社は市民が立ち上げたコミュニティーFMであるため、運営や経営基盤は決して磐石とは言えず、今後、今治市の防災上の重要な役割を担うこととなりますことから、今回の出資により、今治コミュニティ放送株式会社に対する今治市の関与を強め、市民が立ち上げたコミュニティーFMとしての趣旨や有益性は尊重しながらも、経営の安定化と放送業務運営の適正化や倫理観の向上をともに図ってまいりたいと考えております。このほかにも、今治市職員の今治コミュニティ放送株式会社の社外役員就任や放送番組審議委員会委員への就任なども行ってまいりたいと考えております。
また、株単価につきましては、現在まで1株5万円で出資を行っており、今回も1株5万円とし、出資者間における出資金額の公平性を保とうとするものでございます。
また、今回の出資の目的は、さきに申し上げたとおりでございます。今治市の防災上の重要な施策と位置づけておりまして、配当目的ではございません。
続きまして、2番目、歳出9款1項5目防災情報通信システム整備費についての1点目、防災情報伝達機能拡充事業費についてにお答えいたします。
今治コミュニティ放送株式会社がみなと交流センターへ移転する目的は、1つには、「交通」の港から「交流」の港へ、今治港のにぎわいを創出しようとする施策の一環であります。もう一つは、先ほども申し上げましたが、今治市の防災上重要な施策としてコミュニティーFMの活用を行うものであります。
現在の放送資機材は平成14年2月の開局から14年が経過し、老朽化しているものも多くあります。今回の移転に伴い、機器にふぐあいが出る可能性が高いため、これらを新しく整備して、放送の品質、信頼性の向上を図り、今治市の重要な防災機能の一翼を担うにふさわしいものにするための支援を行うものであります。
また、FMラヂオバリバリの受信できるエリアは今治市内全域に至っておらず、防災情報を今治市内全域、全市民に確実に伝達するために、受信できるエリアを今治市域全体に拡張する必要がございます。今回、難聴地域対策に伴う調査設計費用の支援を行い、放送エリア拡張を促進するものでございます。
なお、現在、FMラヂオバリバリをどのくらいの市民が聞いているのかの調査は行っておりませんが、今後、今治市内全域にエリアが拡大され、しかも、今治市の防災情報伝達機能の重要な役割を果たすほか、行政・コミュニティー情報の有効な情報源として多くの市民の皆様に親しまれるものと考えております。今治市におきましても大いに周知を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
79:
◯村上伸幸健康福祉部長 山岡議員ご質問の市長施政方針についてのうち、2番目の子育て支援についてお答えいたします。
地域の人口が減少し、コミュニティーの弱体化が言われる中で、公立保育所は、自分たちが地域の子育て支援の中核施設として機能できるよう、各種行事や防災活動などを通じて積極的に地域の皆さんと交流を重ね、子育てに関する地域のニーズを把握するよう努めてまいってきたところでございます。
島嶼部の認定こども園の運営に際しましては、単に園の運営についてだけでなく、子育てに関する保護者の皆さんからの忌憚のないご意見、ご要望をいただき、地域の課題についても意見を出していけるような保護者会運営を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
80:
◯渡邊 徹産業部長 山岡議員ご質問の市長施政方針についてのうち、4番目の今治タオルブランドについてに関しまして、私からお答えさせていただきます。
議員ご指摘のとおり、今治タオルは本市を代表する地域ブランドであるとともに、四国一の製造業のまち今治市を支えるタオル産業の礎であると認識しております。
一方で、国内外から注目を集めている今治タオルにおいては、これまで以上に攻めと守りの両輪がバランスよく機能することが重要であると考えております。
まず、攻めにおきましては、販路の拡大への支援、中でもTPP大筋合意を受けた関税撤廃を輸出拡大の好機と捉え、国際的に通用するJAPANブランド化を目指す取り組みを積極的に支援してまいります。
そして、守りにおいては、先日のブランド管理問題を受け、四国タオル工業組合においてもブランドの維持、管理の強化に取り組む方針であり、そのための支援を行ってまいります。
これらの支援によって、今治タオルが、本市が掲げる地方創生策の重点の一つである「今治ブランドの推進」に向け、大きな役割を果たしていただくことを強く期待しているところでございます。
以上でございます。
81:
◯渡辺文喜議長 以上で答弁は終わりました。
再質疑、再質問はありませんか。
82: ◯山岡健一議員 議長。
83:
◯渡辺文喜議長 山岡健一議員。
84: ◯山岡健一議員 それでは、緊急防災情報伝達システムについて再度お尋ねします。
先ほどの答弁で、現在、FMラヂオバリバリをどのくらいの市民が聞いているのかの調査は行っていないということでありましたが、情報伝達環境を整備しても、聞かれなければ、約2億4,000万円から最大約10億円とされている経費も無駄になるおそれもあります。最大の効果を引き出すために、しっかりと調査をした上で行うべきであると考えますが、どう思いますか。
85:
◯渡辺英徳総務部長 お答えいたします。
FMラヂオバリバリは、災害時など有事の際には、刻々と変化する災害状況や避難経路などの避難情報といった人命にかかわる情報や、被災状況や捜索活動などの情報、避難所開設や運営状況などの情報といった被災時から復旧・復興までの情報を常に放送することとなります。しかも、今治市に限定した、今治市民にとって必要不可欠な情報を切れ目なく放送することとなりますことから、全市民がその情報に耳を傾ける状況になってこようかと考えております。今回の整備に合わせまして、今後もFMラヂオバリバリのこのような役割をしっかりと周知してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
86:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問はありませんか。
87: ◯山岡健一議員 議長。
88:
◯渡辺文喜議長 山岡健一議員。
89: ◯山岡健一議員 最後に、費用対効果について申し上げます。
災害が起きたとき、人はどこから情報収集するのか。まず、多くの人がふだん使用しているスマートフォン、携帯電話による緊急速報メールやエリアメール等での確認、そして、テレビをつけてNHKをチェックする、大体そのような流れになっているのではないでしょうか。また、スマートフォン、携帯電話を使用しない人の対応は、屋外拡声機による発信や広報車、地域のコミュニティーとしての自治会、そして、支所などによる呼びかけがあります。大体の人がふだん身につけているスマートフォン、携帯電話に軸を置いて、情報伝達手段の改善、強化をする方法も、少ない費用で大きな効果をもたらすのではないかと思います。今回の緊急防災情報伝達システムについて市民の方々からご理解が得られるのか、ご意見を聞きながら考えてまいりたいと思います。
以上で終わります。
90:
◯渡辺文喜議長 再質疑、再質問なしと認めます。
以上で山岡健一議員の質疑、質問を終わります。
明日、定刻から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後 1時40分 散 会
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